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第20回 4bunnno3サロン
「オンライン環境での課題と工夫」

2021.10.12

report

就労・定着支援に関わる方が相互に気づきを高め、学びを深める4bunnno3サロン、
第21弾を実施しました。

今回のテーマは「オンライン環境での課題と工夫」です。

未だ完全には出口の見えないコロナ禍は、障がい者のトレーニングや雇用にも大きな影響を与えています。対面での対応が重要な側面もありますが、上手にオンライン環境を使いこなすことは福祉の支援者にも雇用企業にも大きなテーマのひとつですね。

今回のご参加者は企業の方が少なかったので、少し偏る内容になるかもと思いましたが、かなり幅広い意見が交わされました。以下レポートです。

■オンラインの事情・概況
ご参加者が所属する組織でまったくオンライン環境ができていないという所はありませんでした。IT化がもっとも遅れている業界の一つである福祉業界でもコロナ禍の影響は大きかったようです。また同時に行政の考え方が変わったことも強い後押しになっていますね。ご参加者の中にコロナ前からオンライン支援を進める会社に属する方がいたのですが、コロナ前はオンライン(在宅)のご利用者支援をすることに対して許可を出す行政は、全国でも少数だったそうです。それがコロナ禍で在宅支援のあり方を模索する動きが全国に広がり、ほぼすべての行政でオンライン支援が許可されるようになりました。ご利用者の通所数が減ることに伴い、支援スタッフの出社数を調整している施設も多くありました。すると、在宅のご利用者、通所のご利用者、在宅の支援スタッフ、通所の支援スタッフという複数拠点に分かれることが普通になり、どこにいても業務や支援が滞りなくできる仕組みが必要になっています。

■オンライン環境(ツール、ルール、使い方など)
<WEB会議システム>
もっとも多くの組織が導入しているのはWEB会議システムでした。画面越しに表情を確認しながら話ができ、使ってみると思った以上に普通に会話や資料を共有しての説明ができるため、重宝されます。ツールとしてはZOOMやTEAMSなどが多いようですが、チャット系の機能を使って話をしている方もいます。
目的は、個人面談(インテーク、アセス面談、相談面談、業務指示など)意外や、支援スタッフ間のコミュニケーション(ケース会議、アセス会議、朝礼・終礼など)、外部との折衝や情報交換、営業などでの利用が多かったのですが、ワーク系やディスカッション系のプログラムで使っているケースもありました。
課題は、対面での個人面談では、画面では見えない情報(手の動きや、雰囲気など)からもご本人の心理状態を読み取っていましたが、主に声や表情に情報源が限られるため、対面に慣れていた支援者からすると物足りなく感じることがあるようです。また、面談や会議で集中力が切れやすいと感じる方も複数いました。対面以上に、端的に済ますことや話し方(緩急をつけるなど)にスキルが求められるかもしれません。またカメラをオンにして顔を出すことが当たり前と考える風習もでき始めていますが、在宅の場合、本人の状況や心理状態に合わせてカメラはオフでも良いと考えられると、ストレスも低下するようです。

<チャットツール>
WEB会議で顔を見る必要がなく、簡単な情報交換やテキスト(文字情報)の確認ではチャットツールのほうが便利ですね。ラインワークスやSlack、Chatworkなどサービスは多様です。プライベートでもLINEなどを使っている方が多いので、これは馴染みが速かったでしょう。個人間で使うこともあるようですが、上手に使っている企業では複数名が所属するグループを作成し、あえて会社の中で他の方も聞いている状態を作り情報交換をしています。AさんはBさんに話しているのですが、同じグループに入っているCさんや、Dさんも認識している状況が作れます。CさんやDさんはサラっと見る程度で流して良いため負担は少ないながらも、グループ内で何が進行しているのか理解できます。できるだけDM(1対1のダイレクトメッセージ)は使わない、ラリー(やり取り数)が多くなったらチャットより直接話したほうが速いため、ツールを音声チャットやWEB会議に切り替える。挨拶文は省いて簡潔な文章にする。返信は絵文字を使って時間省略と心の息抜き。などのルールや暗黙の了解ができているようです。

<アンケートフォーム>
複数の方に同じテーマで意見を集めたり、決まった項目への記入を依頼する場合はアンケートフォームを事前に作っておいて回収すると集計が簡単になります。もっとも使われているのはgoogleフォームでしょう。紙で集めていた頃には戻れないほど便利です。

<名刺交換アプリ>
初めて会う外部の方ともオンラインで、というのが日常になりました。すると困るのが名刺の交換をできないこと。もともとリアルな名刺を写真で取り込みデータ化する仕組みだった名刺アプリが、コロナ禍で進化し、WEB会議で自分のQRコードを画面に表示することで相手と名刺交換ができるようになっています。僕も使っていますが今回のご参加者でもeightというツールを使っている方が複数いました。一度繋がっていると、異動や、電話番号の更新なども、タイムリーにできるようになりますから、大変便利です。これから紙の名刺の交換はどんどん減っていくと思われます。

<その他>
現在はご利用者の在宅支援に寛容な行政ですが、今後コロナが落ち着いてきた際に、在宅支援のあり方が再度問われるようになるでしょう。在宅支援をクリアするには 1)トレーニング提供と実施確認の仕組み と、2)プログラムを自宅で学べるラーニングシステム で構成されるようです。今回ご参加された方の支援所では、1)在宅のご利用者のPC画面が定期的に自動保存される仕組み になっていて、実際にトレーニングがなされているという証拠データになるそうです。また、2)ラーニングシステムでは、各カリキュラムの進捗が管理され、必要な際にはすぐに支援者のサポートを受けることができるそうです。まだ導入しているのは少数派ですが、他のご参加者は興味津々でした。

■取り組んで良かったこと
 ・周囲も当たり前に変わったため、然程のストレスを感じずに体制移行できた
 ・物理的な距離や課題をITで埋めることの意味が理解できた
 ・リアルには届かないこともあるが、工夫次第で意外になんでもできる
 ・電話の練習は同じ場にいるより、精度の高いトレーニングができている
 ・時間管理の意識が上がった
 ・オンラインが日常になり、雑談ができるほど使いこなせている
 ・以前はできなかった拠点間の交流ができる
 ・移動時間が無くなり、時間の効率化が進んだ

■今後の課題
1)ハイブリット化
コロナが落ち着いていくと、①完全にもとに戻す、②オンライン化を加速する、③ハイブリット化を目指すの3つに対応が分かれる。オンラインの強みとリアルの強みがあることに気づいたご参加者は全員、①はなく、③のあり方を意識しているとのこと。

2)就業企業環境
コロナ禍前に安定して就業していた卒業生が、在宅就業の命令がでると軒並み体調を崩したことを教えてくれたご参加者がいました。彼らはトレーニング期間中に在宅で過ごす経験や、その対処などを学んでおらず、また企業も環境整備ができないまま在宅という名の自宅待機を命じたため、何をして良いか分からずストレスになり、コンディションダウンを起こしたとのこと。因みに彼らは数か月で環境に慣れて、今では落ち着いているそうです。就業企業の考え方や、環境つくりのあり方を見極め、また場合によっては一緒に協議しながら、どのようなトレーニングが必要かを考えていきたいと話をしてくれました。

3)在宅者の環境支援
電波状況や、PCやモニター、机やライトなどの什器や備品が整備されていないとお互いにストレスになったり疲れやすくなります。環境整備支援ができる予算のあり方は一つのテーマになりそうです。

最後に、ご参加者の方が仰った心に刺さった言葉を書いておきます。
障がい者支援をする中で、オンラインの利用は2つの意味があると感じています。1つは「働き方改革」としてのリモートワーク。コロナ禍で進んだのはこちらの意義が大きいでしょう。もう一つは「障がい者の社会参加」としてのリモートワーク。疾患内容によっては移動や外出が困難であったり、顔を出してのコミュニケーションが障害になっている方もいます。困難を乗り越える際の思考の一つに、選択肢を増やすというものがあります。オンランをする・しないという二項対立で捉えず、選択肢を増やし選んでもらえるようにしたいとのことで、強く共感しました。

本日のレポートは以上です。

<次回予告>
第22回4bunnno3サロン 2021年10月30日 午前10時00分
テーマ:モチベーションの引き出し方
障がい者の就労準備や雇用に携わる方が悩まされるものに、支援対象の方のモチベーションが低いというものがあります。「社会人であればモチベーションをキープするのは当たり前」と考えがちですが、障がいの有無だけでなく、今や新卒の方にもこの当たり前を要求することが難しくなっており、多様な方々のやる気を引き出す術はマネジメントの重要なスキルとして、より重要になっているように感じます。

そこで次回の4bunnno3サロンでは、メンバーのモチベーションの引き出し方について情報交換をします。

 ~情報交換内容~
  ・モチベ―ションが低い方の事例
  ・モチベーションが低い理由
  ・モチベーションを高める関わり方
  ・モチベーションがあがる環境や施策

年内の4bunnno3サロンの日程は以下の通りで、テーマは未定です。ご希望のテーマがあればお寄せください。

第23回4bunnno3サロン 2021年11月20日 午前10時00分
第24回4bunnno3サロン 2021年12月11日 午前10時00分

ご参加ご希望の方はこちらをご覧いただき、手順に従ってエントリーしてください。
既存・新規いずれの方もご参加連絡お待ちしております。

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