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第32回 4bunnno3サロン
「メンバーとの対話、どうやっていますか?」

2022.08.02

report

就労・定着支援に関わる方が相互に気づきを高め、学びを深める4bunnno3サロン、
第32弾を今回は少ない人数ですが4名で実施しました。

テーマ:メンバーとの対話、どうやっていますか?

コロナ禍でのリモートワークの広まりの裏側で、メンタル的な問題を抱える人も増えており、障がい者雇用に留まらず、昨今メンバーとの対話(ダイアログ)が大切だというお話をよく耳にするようになりました。さすがに指示だけをしていれば良いというマネジメント手法は減っていると思いますが、メンバーと対話ってどうすれば良いの?と悩んでいるという記事もよく見かけます。そこでメンバーとの対話について皆さんで情報交換しました。

~情報交換内容~
・対話に関する問題意識
・何名で、どのくらいの頻度で、何分くらいでやっていますか
・どのようなテーマですか
・対話のこだわりやコツを教えて下さい
・どんな成果が出ていますか

因みにメンバー対話の正解を学ぶ場ではなく、皆さんが現場レベルで何を感じ、考えているのかを共有し、共学びすることを目的としています。では今回もどんなお話が出たのか早速見てみましょう。


◆対話に関する問題意識
・リモートワーク環境で雑談の機会が減少している
・話すとなると決まった日の決まった時間で仕事に関する面談になってしまう
・対面で関わっていた時より支援員とメンバーの距離感が縮まらない感じがする
・月曜日の課題を金曜日に話すようなタイムラグが発生している
・いざ話すとなるとかしこまってしまう
・スタッフ(支援者)は忙しいと思われているため対話機会が遠慮されている
・面談の効果が高くない(やることが目的になりがち)


◆面談の実情
<福祉事業での事例>
・1対1の定期面談
内容:体調の変化確認、訓練内容の進捗度合いの確認
人数:26名のご利用者を8名の支援員(担当制)で週一面談
時間:1回あたり3~40分、月一訪問では1時間まで
効果:ご利用者によって大きく違う。全く話ができない状態(関係)の方もいるし、相互理解が進み、目的に向かって進むことの後押しになっている場面もある。

<企業での事例>
・one on oneの定期面談
内容:個人的な問題の解決と相互認識のすり合わせ
人数:チームメンバー20名のうち必要な方のみ
時間:1人1時間

・全体での意識のすり合わせ会議
内容:問題の共有、メッセージの発信
時間:週に1,2度少しの時間で

・問題対処面談
内容:具体的な問題の解決
人数:必要なメンバーで(2,3名)
時間:発生時30分程度
効果:上記3つの組み合わせで、チーム内の意思疎通が円滑になりつつあるように感じる。結果として突発の面談の機会が減り、またその際も少ない時間で対応できるようになった。


◆対話のコツ
・面談自体を目的にしない
面談は手段です。面談を積み重ねてお互いが何を目指すのかというゴールの設定が大切です。目指す方向が違うメンバーとはそもそもこのゴールの共有ができないため、関わる最初の段階(入社前、ご利用前)でゴールに関する意識のすり合わせが大切。意識がずれているのに面談だけしていても上手くいかない。

・テーマの基本は成長と困りの解決
相手の成長支援とそれを阻害する困りを共有するのが基本。目標とその到達のための作戦を決めたり、現状を検証したり、困りを解消したりすることで、本人が「また頑張ろう」と思える状態にする。

・話しやすい雰囲気や関係をつくっておく
最初から何でも話せる関係にはなりません。例えば入社(利用開始)時にチーム全員が自己紹介シートを作成し、相互発表しながら相手のことを理解する機会をつくるなど、打ち解ける雰囲気と工夫をする。

・上司は自分の恥ずかしい話を準備しておく
「こんなことを言ってはいけないのでは」「ダメな奴だと思われるのでは」と相手は警戒をしているので、先に自分から最近あった自分の恥ずかしいことや、失敗を話す。

・相手の小ネタを仕入れておく
他のメンバーや仲間に、面談する人のいま頑張っていることや良い所の情報を仕入れて置き、「最近こうなんだってね、すごいね」と面談を切り出す。褒めポイントや相手が関心のあるテーマから入ることで話しやすい雰囲気になる。

・出てくる情報を聞くのではなく、話してもらう努力を
相手から出てくる情報だけでは面談にならないことも。北風的なアプローチではなく、どうやったら相手が話したくなるかの太陽的なアプローチが重要。

・心の距離と物理的距離は比例する
メンバーは「よくわからない」「自分を見てくれていない」と感じると離れていく。一度にたくさんの時間より、短い時間でも良いので頻度が大切。

・休憩時間を利用する
休憩時間は遠慮して放っておくことが大切な場合もあるが、ランチタイムに話しかけて良い雰囲気を作ったり、社内を歩いている時に少し話したりすることで、普段と違う会話ができることも。

・雑談も大切
雑談は無駄と思う管理者もいるが、信頼関係をつくるには有効だと感じる。時折時間をきめて最近あった仕事以外のエピソードを交換する。

・チャットではテキスト以上にスタンプが有効
チャットでコミュニケーションを取る機会では、スタンプを沢山押して反応すると視覚的にも嬉しくなる。

・対象が大勢いて定期面談の設定が無理な場合
いま定期面談が必要な方、本人も希望しているかなどから優先順位を付ける。

・飲みに行く前に目的を共有
飲み会では今日のテーマや目的を事前に共有しておくと、それぞれの会話の内容が充実しやすい。楽しむのも大切なのでさじ加減は重要だが、楽しみつつ話して良かったと思える飲み会を目指す。


本日のレポートは以上です。
本日の情報交換では対話というより面談と表現されることが多かったなと感じています。
面談はそれ単体で成立するものではなく、最初にチームへの参加者設定、チームビルド、信頼関係の醸成などがあったうえで実施することで初めて少ない時間で効果の高い面談が成立するようです。逆にいえば、無造作に集められたメンバーが、チームとしてのまとまりなく、信頼関係が希薄な中で対話をしても、時間ばかりかかって効果も得られないのかも知れません。効果が得られる準備をして、対話の時間を設けたいですね。


<次回予告>
第33回4bunnno3サロン 2022年8月6日 午前10時00分
テーマ:雇用のあり方の可能性を広める取り組み

一昔前、障がい者雇用と言えば、パートタイム契約で掃除のお仕事というようなステレオタイプが存在しました。今や障がい者の方が就く業務は幅が広がり、また契約のあり方も多岐に渡りますし、就業条件も広がっているように感じます。障がい者雇用の可能性を広げることはこのお仕事に関わっている中でも大切な視点だと思います。そこで今回は雇用の可能性を広げるためにどのような取り組みをしているか、可能性を模索しているかといった情報交換をします。

 ~情報交換内容~
・現時点での雇用のあり方を教えて下さい
・現状でどんな問題意識がありますか
・新たな取り組みの視点を教えて下さい
・どんな成果が出ていますか


<今後のサロンスケジュール>
すべて午前10時から12時の2時間で実施します。
各回エントリーされた方あてに、ZOOMのURLを送信します。

第33回 2022年8月6日
第34回 2022年8月27日
第35回 2022年9月17日

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既存・新規いずれの方もご参加連絡お待ちしております。

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