TOPICS

第33回 4bunnno3サロン
「雇用のあり方の可能性を広げる取り組み」

2022.08.23

report

就労・定着支援に関わる方が相互に気づきを高め、学びを深める4bunnno3サロン、
第33弾を最少人数の3名で実施しました。人数が少ない日は意外に盛り上がるので、ある意味今日も楽しみです。

テーマ: 雇用のあり方の可能性を広げる取り組み

一昔前、障がい者雇用と言えば、パートタイム契約で掃除のお仕事というようなステレオタイプが存在しました。今や障がい者の方が就く業務の幅が広がり、また契約のあり方も多岐に渡りますし、就業条件も広がっているように感じます。
障がい者雇用の可能性を広げることはこのお仕事に関わっている中でも大切な視点だと思います。そこで今回は雇用の可能性を広げるためにどのような取り組みをしているか、可能性を模索しているかといったことについて皆さんで情報交換しました。

因みに雇用のあり方の可能性を広げる正解を学ぶ場ではなく、皆さんが現場レベルで何を感じ、考えているのかを共有し、共学びすることを目的としています。では今回もどんなお話が出たのか早速見てみましょう。

と言いながら、事前に僕が想定していた内容とは少し違う論点でかなり深い議論になりました。
今回ご参加はできなかったお一人のメンバーから、事前に今回のテーマに対して次のような趣旨のご連絡を頂いたのです。

<頂いたメッセージ>
・彼の会社では、採用競争力の観点からパートやアルバイトの方を多数採用している
・しかし、彼女たちは家庭の事情があり、事前に設定したシフトに穴をあけることが多かった
・穴のあいた当日は出社している人の負担が大きくなりがち
・今までは致し方ないことと考えていたが、打開策としてよりコミュニケーションを深めた。彼女たちの話も聞き、会社の事にも関心を深めてもらい、より会社の一員としての価値観を高めてもらえる努力をした
・すると、シフトに穴をあける頻度が減った

つまり、彼は雇用の可能性を広げるのは、社内のコミュニケーションの質である と書いてきたのです。今回ご参加者が少なかったので、最初にこの情報を披露したところ、この観点での議論に花が咲いちゃいましたwww
まとめてみると以下のようになりました。

【既存採用ターゲット】
既存の価値観でのターゲットとは、仕事を人生の主軸に置き、キャリアや仕事能力の向上に観点をおいていた人材

【障がい者雇用や新卒におけるターゲットの変化】
ところが障がい者雇用のみならず、新卒などでも以前のように仕事が人生の主軸ではない方(育児、介護をしている方も含まれる)が増えているのは事実である。彼らは仕事以外に優先度の高いイベントや生きがいや遣り甲斐を持っているため、仕事は9時~5時で終わることが重要などの価値観を持っている

【雇用の可能性が広げるとは】
雇用の可能性を広げるとは、すなわち人生における仕事の優先順位が最上位ではない価値観の方を如何に巻き込める環境やルールの整備ということなのかも知れない


ここで興味深かったのは、皆さんの事例を伺っていると、「仕事の優先順位が低いからといって決してパフォーマンスが低いわけではない」というお話が多数出たことです。彼らは優秀で、短時間で集中して業務をこなしてくれるため重宝しているとのこと。既存企業の枠組みでフルタイムであることが採用の大前提と言っていると、このような優秀な層を見逃してしまうことになりそうだというコメントがありました。

一方で、こういった方々を仲間に入れていくと仕事を主軸にしている層の方たちとの対立が目立つようになるのだそうです。そこで、普段からお互いの事情や考え方を、何が正解と言うのではなく雑談する機会を作っておくと、対立から多様性の認め合いへ と視点が移っていくことを感じているという情報もありました。

ひと昔前の男性社会だった時代には、職場で家庭や子育てについて雑談でも話すことは殆どなかったと思われます。しかし、現代の多様な価値観を内包する組織では、家庭・体調・障がいなど既存の価値観では人前で少し憚られるテーマに関しても、フラットに情報交換できる雰囲気や価値観が備わっているのだと思えました。

日本人には、自分の困りごとは特にオフィシャルでは見せないという少し面倒な特性が備わっているように思います。我慢し、言わないことが美徳であるため、困っていることを言ってはいけない、自分で何とかするのが正解だと考える人が多いのではないでしょうか。しかし僕は、困りごとは上手に共有するのが吉であると教えています。一方的に困りごとを言うのではなく、お互いに相手の困りを知り、相互に助け合う価値観をつくり上げると、そこはとても居心地の良い環境になります。

こういうバランスの良い働き方について、アルバイトを始める中学生くらいから学べるといいですね、なんて言っていると、うちの小学4年生の娘に買い与えた本があったことを思い出しました。

池上彰 監修 「なぜ僕ら働くのか」~君が幸せになるために考えて欲しい大切なこと~

この本の167ページに「●●が当たり前はやめよう!」と書かれています。
当たり前を疑って、誰もが生きやすい社会の実現を目指す。これが、今回集まったメンバーによる 雇用のあり方の可能性を広げる取り組み の回答となりました♪

本日のレポートは以上です。


<次回予告>
第34回4bunnno3サロン 2022年8月27日 午前10時00分
テーマ:脱!福祉 経済を回すための取り組み

障がい者福祉はお金になる! なんて思われていた時代もありました。もちろんこのブログを見る方はそんなことを考えたこともない方のほうが多いでしょう。障がいのあるなし関係なしに誰もが自分の可能性を開き、社会貢献できる世界を創りたいという社会課題の考えた方をされていると思います。しかし、現実、福祉の制度(国からの支援ありき)ナシにこの世界を構築するのはそう簡単ではありません。しかし、福祉財源は枯渇の一途で、いつルールが変更になるか分かりません。このままではいけないと考えている方もいらっしゃるでしょう。まだまだ成功例は少ないかも知れませんが、その種を皆で持ち寄り、共有する機会になると良いなと考えます。

 ~情報交換内容~
・福祉財源以外で稼ぐという考え方、ありますか?
・こんな噂、あんな取り組み 情報交換
・福祉で目指したい世界観


<今後のサロンスケジュール>
すべて午前10時から12時の2時間で実施します。
各回エントリーされた方あてに、ZOOMのURLを送信します。

第34回 2022年8月27日
第35回 2022年9月17日
第36回 2022年10月8日
第37回 2022年10月29日
第38回 2022年11月19日
第39回 2022年12月10日 <<<年内最後


サロン会員への登録をご希望の方はこちらをご覧いただき、手順に従ってエントリーしてください。
既存・新規いずれの方もご参加連絡お待ちしております。

一覧へ戻る