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年一度恒例
神奈川県のKSTEP研修

2023.05.26

report

溜め込んでいた研修後記、今回は2月に実施した神奈川県のKSTEP研修です。

これは例年、一年に一度大規模に実施している研修で、全3日間×3時間というなかなかハードなコンテンツです。通常だと高い報酬を頂くのですが、川崎市で生まれたKSTEP(セルフケアトレーニング)を神奈川県と一緒に広めることを目的にしているため、ご受講者は無料で学んで頂くことができます。毎回満員御礼で、今年は86名の方が実際に参加してくださいました。各回の内容は以下の通りです。

第1回:セルフケア概要・導入編
セルフケアスキルの重要性とK-STEP(セルフケアトレーニングツール)の作成方法と使い方を学びます。宿題では、実際に自分の支援対象者と実施します。

第2回:セルフケア運用編
セルフケアスキルを最大限に引き出す運用の仕方を学びます。それぞれの工程の本質を理解し、陥りやすい問題に対処できるようになります。

第3回:セルフケア就活・就労編
身に付けたセルフケアを、就活や就労後に活かす方法を学びます。

コロナ対策としてオンライン研修スタイルなのですが、僕が9時間話し続けるだけでは見るほうも大変ですので、放送スタジオに受講者代表の方4名にご参加頂き、僕がその4名と話をしながら研修をする様子をオンラインで見て頂いています。放送スタッフの皆さんとも3年目ということもあり、とてもスムーズに実施できました。

以下、ご受講された皆さんからのアンケートをもとにレポートします。
ご受講者のご感想は大変参考になると思いますので、ちょっと多めに掲載してみますね。


<満足度>
第1回 4.5点/5点
第2回 4.5点/5点
第3回 4.7点/5点
とても高いご評価を頂きました♪


<第1回 印象に残ったこと>
・体調のサインを書き出して、利用者と一緒に確認する方法がとても素晴らしいと感じました。互いに目で見て確認しあえるだけでなく、体調のサインの気付きを得ることができ、さらに報告のスキルアップも図ることが出来るのは本当に素晴らしく、当施設でも今後すぐに取り入れていけたらと考えております。
・セルフケアの構成要素や4つのセルフケアスキルを聞き、とても共感できたことが印象的でした。
・リカバリー方法(アフター5型、週末型)を意外とわかっていないことが印象的でした。
・メンタルの回復には段階があること、うつの回復には5年ほど有することなど、時間のかかる病気だと知れました。
・毎日表に自分で書いたものを職員に共有しにくる、というところが印象的でした。出来るようになるまで時間がかかりそうですが、自発的に出来るとヘルプを適切に出せるようになるので、とても良いと思いました。
・休憩の過ごし方。特に慣れない場所では手持ち無沙汰になるとスマホをいじってしまいがちになりますが、体を動かす、水分をとるなどの行動をとることの重要性を再度把握することができた。私も休憩中でもパソコンを見てしまうことが多いため、気を付けようと思った。自分のストレス発散方法も学べる良い機会になった。
・「今ここ」に着目するという点。以前交流分析を学んだこともあり、まさに過去でもなく未来でもなく今の現実にまず向き合うという事。そこに起こる自分の葛藤を手放さずに見つめ続ける中から、自分自身が対応できる手段を獲得していく道筋がとても腑に落ちました。
・トレーニングが必要だと思いますが、朝の短い報告で全てが分かること。ご自身もセルフケアを実践することで回復する場合もあったり、パフォーマンスが落ちる場合もあるが、最後まで「できる」ことをしていくということ。(報告相談をして)毎日報告をしてくださる利用者様は通所も安定しセルフケアもしっかりできていますが、メンタル不調で通所を休みがちの利用者様は、ご本人も難しいと感じているように思います。支援者が理解を進めて利用者様にセルフケアシートをつけることでご自身の状態を知り、セルフケアスキルを身につけることの大切さを知っていただけるようお伝えしていきたいと思います。
・出来ることや出来ないことの判断をする際に、100点の状態で判断をしてしまうことが多いということと、発達障害の方は本人の調子が良くても、他人からはこのように困ることを教えるような形でセルフケアシートを活用すると良いということが非常に印象的でした。
・利用者であっても支援側であっても、リカバリーの大切さは同じであることは忘れずにいたいと感じました。支援者側の体調、気持ちの余裕は支援に反映されるという部分は現状の自身にも当てはまることで、反省とともに自己ケアの必要性を感じました。普段の支援の中で、体調管理や状態の自己認知について話をする機会は多くありますが、支援側としても柱となるものがない場合、どんどんと話の内容がずれていったりすることも少なくないような気がします。K-STEPで利用者本人から出てきた、良好・注意・悪化のサインを共有できることによって、それが柱となり、ご本人が抱えている困難さや課題も明確化するように感じ、できるところから取り入れていきたいと思いました。
・病状にばかり目を向けていましたが、100人いれば100人症状が違うのだと思いました。病気を知るというより本人を知ることの重要性を実感しました。精神障がい者の突然の苦しみは、健常者が翌日、歩けなくなるほどの衝撃というお話には、自身が衝撃を受けました。分かっているつもりのことが、分かっていないことがまだまだあるのだと痛感しました。本人のことをもっと理解する努力をしたいと思いました。色々な気付きを頂きありがとうございました。
・支援者自身が元気でないと説得力がない、元気にご利用者様を家に帰さないとだめだ、という言葉がその通りだと印象に残りました。まずは支援者がよくセルフケアの必要性について理解し、実行できるようでありたいと思いました。また、精神障害の方をご利用者様に代わって説明できる支援者であってほしいという言葉もその通りだと感じました。障害種別などではなく、その方の症状について知っており、どうサポートすればその方がリカバリーできるかを企業の方に語れる支援者でありたいと改めて感じました。普段からのご利用者様理解を、日々セルフケアシートでより深めていきたいと思います。
・スマホで例えて人間にも充電が必要だと仰っていたこと。日々生活をする中で自分にリカバリーをすることや、疲れや疲労がたまっている際のサインなど違う視点から自分を見ることが、自分には思いつかなかったようなアイデアでとても印象的ですぐにでも実践していきたいと思った。

<第2回 印象に残ったこと>
・1.セルフケアシートは月次で見ると、月の中での平日と休日の流れなど色々な気づきにつなげることが出来ること。
  2.また、各スタッフによってみる視点、気づきが異なるため、チームとして対応するとより効果的であること。
・セルフケアシートを活用している利用者様がいらっしゃいますが、支援者もご本人もその日の状態のみの報告になっていました。状態の視覚化をしておくと次の起こるであろう体調不良のタイミングが分かるようになるので、悪化の前に回復対処をすることができるのは素晴らしいと思いました。備考欄にもあったことをしっかり記入することでご自身の兆候やきっかけが分かるようになるので、みなさんにお伝えしていこうと思います。報告の時も手引きがあると分かりやすくどの報告を今すべきかが分かるので次回から使っていきたいと思います。
・パネリストの方々のロールプレイを参考にすることができ、実際の運用での注意点を視覚的に学ぶことが出来ました。お話の中では、その時々の体調によって「できること・できないこと」を整理することが大切というものです。日々の支援の中でこの視点が欠けていることに気付かせていただきました。本当に参考になりました。ありがとうございました。
・利用者とスタッフの立ち位置:上下関係ではなく、常に対等な立ち位置で接する。利用者の話に傾聴し、かつ話しの本筋はぶれない様に状況により軌道修正をし問題点については、まず何が起因なのか?どのように対処すればよかったのか?を利用者とスタッフ間で共有認識したうえで、問題点の解消を模索してゆく。セルフチェックシートの運用の大切さ、表で考察し問題点の洗い出し方、利用者に対するこまめな聴き取りを行い、利用者とスタッフ間の信頼関係の構築につなげる重要性。以上の事を学びました。
・K-stepの運用方法について、確認をする際には1日単体で見るよりも全体の流れから確認することが印象的でした。私自身、その日あったこと、その人のミスなどその出来事として捉えていた傾向があったため今後は長い目で見ていき就労に繋げられるような支援をしていきたいと感じました。
・「リカバリーを推奨する支援員がリカバリーを知らない、実践できていない」この北村さんのセリフは目から鱗というか痛いところを突かれたと感じています。自分自身のセルフケアをもう少し意識していきます。
・主題と逸れますが、リカバリーについて支援者が実践していないから利用者も実践しづらいのはまさにその通りだと感じました。
・「自己浄化」というキーワードが今回もっとも印象的でした。過度の寄り添いで本人は不安の扱い方が分からない、支援者は対応回数が多いのに本人が安心に向かっていかない、といったお互いの疲弊感につながっているなと改めて気づきました。
・今回は運用編と言うことで、ロープレなどもしていただき、自身の事業所で導入した場合にどのようなことが起きるか、導入する場合の懸念点なども考えながら参加させていただきました。弊事業所は知的の方が8割のため、サインやリカバリープランを自身で決めて実行をし、本人主体で考えていくということは難しい方も多いかなという印象であるのですが、研修の中で「支援者の声かけや質問次第で考えが深まる」と言う部分は、障害区分に限らず共通することだと感じ、日々の中での声掛けや質問の質について改めての見直しや、支援員同士での練習などを取り入れていくことで、支援スキルの底上げが目指せるという気づきをいただきました。川崎市HPに掲載されている、知的モデルのセルフチェックシートに基づき、声掛けや日々の確認事項などを支援員間で共有していきたいと感じました。
・セルフケアのロールプレイの際に講師の先生が仰っていた、人はできていない部分に目を向けがちであるとの言葉がとても印象的でした。また、支援のフィードバックとしてgood&moreのフィードバックの仕方を今後取り入れて行きたいと感じました。
・セルフケアシートのロールプレイをして下さったので、本番の運用のイメージがついたことです。ただ、今回は支援員によるロールプレイだったので、実際の場面を想定した際に、スムーズに事が進まない可能性もあります。そのため、職員が内容をきちんと把握して、ご利用者様の変化を見落とすことがないようにしなければならないと感じました。
・毎日の報告を行うことで、利用者は聞いてもらうことで自己理解につながり、支援者は学ぶことができ、そこからアセスメント力が向上していくことを学びました。また、リカバリーを行う際は、まずは行動できるかどうかを一緒に振り返ることが大切だと感じました。
・休憩時間は何をしてもいい時間ではなく、疲れを回復させるための時間であることを知った。ご利用様に休憩時間の過ごし方について促す際はお伝えしていきたいと思いました。配慮相談の練習をする事で、就職した際に自分で回復するスキルが身に着くため、スタッフも就労後を見据えた訓練の提供を行っていきたいと思いました。
・グループワークを視聴しましたが、一緒に紙を見る、指差し確認するを説明を受けた後も、いざ始まると忘れていたりすることがあり、自分も気を付けようと思いました。ついつい実施することを目的になってしまいますが、自己理解が目的だということを忘れないようにしたいと思いました。
・1ヶ月を通してのシート記入例を見ながらロールプレイを拝見できたので、実運用のイメージがわきました。印象的だったのは1ヶ月分のデータだと好調、不調の大きな流れがわかるということです。バイオリズムは人それぞれなのでそれが把握できるのは大きいと思いました。

<第3回 印象に残ったこと>
・セルフケアとラインケアを合致させる方法として就労後の当日・3日後・1週間後と段階をふみ聴き取りをし、よくできた点と悪かった点を聞き共有化すると共にmore=このようにしたらさらによかったかもね、を共有しセルフケアとラインケアを合致させる事で就労継続期間を各段に持続する事を手段として学びました。
・セルフケアとラインケアを結び付けることができれば無理をしないで働き続けることが
できること
・セルケアを訓練で修得し使いこなせるようになることは、就労定着のためであること
・就労支援員の役割の話は目からうろこの事ばかりでした。自分のできることから変えていき、利用者の皆さんと一緒に成長していきたいと思います。まずは、セルフケアシートを毎日つけていただき、利用者様自身がご自身の事を知る・気づくことから支援をしていきたいと思います。
・K-STEPを通してセルフケアを万全にし、就職する必要があるのかと思っていましたが、
セルフケアシートを職場の方とも共有し、必要な援助を受けられる受けやすくする仕組みつくりも大切なことなのだということが印象的でした。自分の中の考え方変容が起こった感覚です
・利用者も支援者もしあわせになるセルフケアライフとおっしゃった事が印象的でした。
有りたい自分を描けるように、成長と貢献を自分軸で考えられるように利用者も自分も
変わらねばいけないと思いました。
・就労支援に携わる支援者として、利用者さんの就職先の、配慮に関する理解(ラインケア)をいかに見つけていくかが重要だということに、改めて気づかされました。
・就活をサポートする上でどの様な点を意識すればいいかかなり明確になったように感じた。特に、ケアに対する意識がある企業を見つけるために何をしておけばいいか(就活前にすること)のイメージが出来たことが大きい。配慮のある企業は2割程度という現実も、支援者として受け止めなければならないことだと感じたため、事業所内で共有して最善を探っていきたいと感じた。
・しあわせに働くために必要なものという話が印象的でした。ご利用者様の中には給料を重視されている方もおり、長く安定して働くための配慮について考える機会が何度もありました。他人源泉ではなく自分源泉で幸せに働くという考えをご利用者様にも伝えていきたいと思いました。
・支援とは、支援されている人の可能性を広げること、という言葉。
・「しあわせにはたらくとは」というテーマでの、他人が源泉となる生き方と、自分が幸せの源泉になる働き方のお話がとても印象的だった。自分軸で働いていくことは幸せに働くためにとても大事なんだなと分かった。ご利用者様自身がありたい姿を描けることがまずは大事だなということもお話をお聞きして実感した。ありたい姿は人それぞれなので、他人には教えられない。ご本人から出てくるまで「待つこと」「我慢すること」も支援者として大事だということもとても勉強になった。
・ご利用者さんの最大の目的である就労定着を可能にするような具体的なステップを学べたことがとても良かったです。ラインケアの意識のある雇用現場を見つける、セルフケア能力を発揮できる環境を整備するという、セルフケアとラインケアを合致させるとのことがとても印象に残りました。

以上です。
毎回たくさんの本気のコメントを下さることが印象的な研修です。これだけ沢山の気づきや学びを得て下さったこと嬉しく思います。また来年やりましょう♪

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