TOPICS

3 メンタルの症状を取り巻く要素と構造 前半

2025.12.06

know-how

「今の調子はどうですか?」という質問に対して「良い」「悪い」という答えられるものが『気分』です。この気分には背景となる感情や身体的な症状があり、これを『サイン』と称します。メンタルの症状を持つ方は、これらのサインを言葉にする経験が少ないと考えています。

「今日の気分は少し良くないです。それは弱めの倦怠感があり、それに伴う不安感があるからです」というように、気分だけでなく、現在のサインも同時に表現することで、自分自身の特性理解が進み、さらに他者にも伝わりやすくなります。

気分やサインには、睡眠、食事・運動、ストレスといった『三大生活基盤』が影響していることが多いと考えます。

人にはそれぞれの『特性や価値観』がありますが、メンタルの症状を持つ人は、それらが強く出る傾向があります。例えば、強い感情、マイナス思考、人間関係のトラブル、肉体・精神の疲労、身体症状などが挙げられます。

これらの「サイン」「気分」「三大生活基盤」「特性や価値観」は、多くの場合、相互に関連しています。例えば、「昨夜友人とLINEでやり取りをしていた際に、相手の言葉に引っかかる部分があり、自己否定感が沸いてしまいました(特性や価値観)。そのせいで睡眠の質が低下し(三大生活基盤)、今日は眠気があり、頭がグルグルして、倦怠感がある(サイン)ので、気分は良くないです(気分)」というようにすべてが繋がっていることが分かります。

自分で出現した特性や価値観に気付けるようになると、その対応を考えられるようになります。例えば上記のように自己否定感が強いことに気づいたのであれば、「あ、いま特性が出てるな」と口に出して(心の中で思って)自己認識(ラベリングという)するだけで、こころが落ち着くと言われています。このように特性や価値観を適切なレベルに調整するトレーニングをすると、社会での生活がより快適になります。

一覧へ戻る