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和光大学で授業をさせて頂きました

2019.12.06

report

今年4月まで通っていた、小田急線の柿生駅(JINEN-DOの拠点)の一つ先の鶴川駅で下車。なんだか懐かしい感じです。

人の流れに乗って、15分ほど歩くとそこに和光大学があります。

現代人間学部 心理教育学科 の 常田秀子先生との交流はもう何年になるでしょうか。時折ご依頼を頂いて、先生が担当される授業で数年に一度、一コマの授業をさせて頂いています。

昨今の大学は、身体や精神に困りがある生徒が増えています。
逆に言えば、そのような学生を受け入れられるようになってきているとも言えます。
しかし、まだまだ彼らが学内で困りごとを解消して学業に励んだり、良き就職をできるためのサポートに関しては課題があるようです。

先生と事前に相談して「障がいがあっても社会で活躍できる」と題した授業を実施しました。

この教室では、数回前に常田先生から、セルフケアトレーニングやトリセツ作成などのノウハウの伝授もされているため、僕の話も良くわかってくれます。

90分という短い時間でしたが、僕からの問いかけにペアで議論してもらったり、意見を言ってもらったり、疲れ回復手法を伝授後に5分のリカバリータイム(回復休憩)として教室から強制で出てもらったり(笑)、普段とは違った時間を過ごしてもらいました。

アンケートの結果はまた後日頂きますが、まずまずの手ごたえだと思います。
終わった後も何人かの生徒が残って話をしてくれたので、記念撮影をしました。

その後、キャリア支援部の柳沢先生と就活支援について意見交換をしました。

大学の先生が良く使うキーワードに「グレーゾーン」というものがあります。
障がいの自覚がない方のことを指しますが、大学の自由な時間ではその問題性が周囲からは気づきにくいものの、就活という仕組みの中で初めて顕在化し、そこからキャリア支援をしても難しいという問題があります。

僕は、今回の授業でも話をしたのですが、障がいを「ある」「なし」の二極で判断することを辞めると良いと考えています。

障がいとは、疾患そのもののことではなく、生活をする上での困りのことです。
ですから、例えば 困りレベル と表現するのはどうでしょう。

生活するうえで困りが 0 の人なんてほとんどいないのではないでしょうか。
例えば、僕は大学時代は、履修科目を選ぶのに困っていましたし、授業中もお腹を空かせて困っていました。眠いなんて困りもありましたね。

困りレベルを1から10でまとめて、学生に提示してあげることができるのではないかと思います。下記はイメージで書いてみました。

       <困り内容>        <学校で対応できること>
困りレベル1 授業中にお腹がすく   → 音が出ないものなら食べてもOK
困りレベル2 履修に悩む       → 履修サポーター制度
困りレベル5 先生の声が聞こえにくい → ノートテイクサポーター制度
困りレベル6 ディスカッションが苦手 → 発言パス券発行

この問題の第一歩は、困っている本人がそのことを隠さずに言えたり、相談できる環境を作ることです。現在の障がいのあるなしでは、「障がいがある」と認めなければならないため、言い出しにくい。そこで全校生徒に困りレベルとして認識を変えてもらう。さらに学校としてその困りに対してどんな対応資源があるのか提示することができますね。運営する中で新たな困りに出会えば、何ができるかを考えることもでき、ノウハウが溜まりそうです。

結果的に問題抽出時期を早めることができるでしょう。
1年生の間に気づいた困りであれば、就活までに対応できることも増えるはずです。いくつかの大学と一緒にこの問題を解決できるといいなぁ。

ちなみに、柳沢先生とのお話のあと、常田先生の教え子の4年生の女性とランチを共にしました。「グレーゾーンの方の職場適用」というテーマで卒論を書いているとのこと。
色々なご質問にお答えしながら、情報交換をしました。

4時間の滞在中に凝縮された時間を過ごすことができ、とても有意義でした♪

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