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第6回 4bunnno3サロン

2020.11.04

report

就労・定着支援に関わる方が相互に気づきを高め、学びを深める4bunnno3サロン、第6弾を実施しました。
新たに5名の方がご参加されました。今回は僕を入れて11名で実施しました。新しいネットワークを作ろうとしていることもあり、顔なじみの方をあまり誘っていなかったのですが、数名昔馴染みの方も聞きつけてご参加下さいました。嬉しいですねぇ。

最初は恒例の僕のセルフケア講義です。今回は前回リクエストを頂いていたリカバリー(疲労回復)に関する2020年版の資料です。

【社会で多様な力を活かすための セルフケアトレーニング⑥】
前回、障がいになるような大きな疾患や症状を負うと、疲れやすくなることを伝えました。生きづらさがあるとそれだけ負担が大きくなったり、周囲や社会に合わせようとするとよりエネルギーを使うわけです。歳を取ると疲れやすくなるのと一緒です。でも「疲れたぁ・・・」とだけ言っているのはお勧めしません。回復スキルを高めることで疲れに立ち向かいます。疲れてエコモードに入ると、できることが減り、苦手が増えますから、そうならずに本来の能力を発揮するためにも疲れを回復させる「リカバリー」の力を高めましょう。お勧めは50分何かに打ち込んだら10分のリカバリー(55分に5分など、配分は自分に適したものでOK)をするというリズムです。

疲れには大きく2種類、肉体疲労と精神疲労があります。(これ以外にも神経の疲れというものがあるようですが、ここでは2種類で説明します)
最初は「肉体疲労編」です。まず、なぜ肉体が疲れるかというと同じ事を続けるから、同じ姿勢を続けるからであると僕は解説しています。皆さん仕事や勉強をしている時は大抵同じ姿勢ですね。でも疲れはジワジワとくるものだから気づいていません。何時間もしてからやっと実感して「あー疲れたぁ」という生活を繰り返していることも多いでしょう。これ、ダメです、疲れちゃってますから。その段階で本来の能力が発揮できない時間がかなりあったはずです。考え方の基本は疲れる前に回復することです。ですから定期的にリカバリータイムを挟むことが大切で、その時にもダラダラしていてはダメで、回復行動を実行します。
肉体疲労回復のベースは血流改善ですね。簡単なストレッチやマッサージを覚えて実行すると良いでしょう。簡単なのは歩くこと。これだけで血流は改善します。企業の方に教えていて一番人気は肘まで手を洗うですね。リフレッシュします。食べるなら甘い物ではなくナッツ類がお勧めで、のどが渇く前に小まめに水分補給します。

次は「精神疲労編」です。精神とは脳のことで、脳が疲れる理由も身体に似ていて、同じ領域を使い続けるからです。僕のセミナーを聞いている時は主に言語野(話を聴くときは側頭野のウェルニッケ中枢というところらしい)を一生懸命動かしていますが、他の脳はあまり動かしていません。脳が疲労すると、飽きて、眠気が起き、集中力が低下していきます。脳(精神)疲労回復のベースは、使っていない五感を刺激すること。お勧めは好きなアーティストの5分間程度のPVをスマホにダウンロードしておき、聴覚と視覚で脳を活性化する方法です。聞き終わると5分経っていることも分かりタイマーにもなります。あとは嗅覚もいいですね。好きな匂いのアロマやハンドクリームなどが便利です。お茶やコーヒーなどは水分補給と同時に味覚と嗅覚も動きますから疲れ回復しやすいです。このように今まで使っていなかった脳を動かすことがポイントです。ですから話す仕事の人は人から離れたほうが、逆に黙々とPCと向き合っていた人は人と話すほうが回復します。刺激とは逆に遮断することが合う人もいますので、目をつぶるなども試してみると良いでしょう。

【ディスカッション】
皆さんから4つ話したいテーマを出し、次の2つについてグループディスカッションをしました。
今回は「皆さんの考えるナチュラルサポート」と「企業における支援のあり方」というもので、どちらも支援のスタイルに関するものでした。

1.皆さんの考えるナチュラルサポート
理論などは検索するといろいろと出てくるのですが、ここでは参加者が考えることを話し合ってみました。絶対的な正解はなさそうだという結論がありながらも、支援者とご本人が一緒に何を目指すのかを共有し、徐々に第三者が介入しないでも良い関係を維持継続できることというのは共通見解のようでした。支援がうまくいっていないケースの根幹にはコミュニケーションの問題があるようです。また信頼関係が形成されていないため不要な遠慮や、間違ったメッセージが伝わっているとのコメントがありました。あるご参加者の企業では入社段階で、チームメンバー全員で資料を作り自己紹介会を実施することで、双方の表情が柔らかくなり受け入れの仕方がスムースになっているという報告もありました。

2.企業における支援のあり方
医療や就労移行などでは時間制限や期限がある中で支援するため、目指すことを絞る思考が働くようですが、企業ではある程度長い時間を一緒に過ごすことから考える支援の質や内容が違うようです。企業内で活躍するにはご本人の障がい受容がカギで、そのために送り出す側が障がい受容や本人のできることを増やし、受け容れた企業が信頼関係を構築しながら、本人の能力を引き出していくような連携ができると良さそうというご意見もありました。課題は企業でできることとできないことを仕分け、できない部分は社会資源との連携を図ることが大切なようです。

2つのテーマを通して僕がイメージしたのは、切ない街路樹です。自立できない街路樹に柵を付けてその柵が木を支えている姿です。あれは、土壌との相性を考えないで見栄えだけで選んで植林しているからだと聞きます。この木が飛ばないためにナチュラルではないサポート(柵)を設置し、負担やコストを支払い続けるのです。支援者は優しいですから何とか倒れないことを目指します。でも、これって何かが間違っていないでしょうか。その土壌に適した木を選べばグングン根を伸ばすはずなのに・・・ ナチュラルな企業内の支援を目指すには土壌(企業の価値観や文化、ラインケア力など)に適した苗(配慮要求内容、セルフケア力など)が合致していることが大切です。採用・就職の段階でここを如何に抑えるか、そしてその合致面積を広げるために双方が何を努力するかを考えることが大切だと思います。

【参加しての感想】
・違う立場の方との意見交換が有意義でした。
・よくある交流会や勉強会では聞けない話を聴くことができ、仕事に活かせそう。
・慣れないオンラインサロンで緊張して、疲れた。でも良い刺激を受けた。
・どこまで支援をしたらいいのだろう、ここからは社会資源を頼りたい、と考えて
 いたことを話せてよかった。
・企業と就労移行支援者はもっと情報を交換して、連携力を高めたい。
・同じ立場の方とだけ話していても気づかなかったことがある。支援というテーマ
 は特にそう感じた。
・今だけでなく、将来の姿を見ながら支援することが大切だと気づいた。
・企業とはコミュニケーションを取っているつもりだが、ここまで深い話し合いが
 普段はできていないと感じさせれた。
・自己紹介会っていいですね、取り入れてみます。
・障がい者が働きやすい社会はすべての人が働きやすい社会。もっと多くの方と
 話し合ってそんな社会を目指していきたい。
・落合陽一氏が「ダイバーシティとは相手の課題を共有すること」と話していたが、
 支援とは課題を共有し、一緒に考えることだと思った。

今回のレポートは以上です。

年内の4bunnno3サロンの日程は以下の通りです。各回15時から2時間の予定です。
是非スケジュール調整をしてご参加ください。

第7回4bunnno3サロン 2020年11月21日
第8回4bunnno3サロン 2020年12月12日

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新しいメンバーのご参加お待ちしています。

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