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7 支援者が行う4つの支援

2026.05.09

know-how

前章で説明した「ご利用者が手に入れる4つのスキル」は、自然に身に付くものではありません。そのため支援者は、それぞれのスキルが育つように、段階に応じた支援を行っていきます。
つまり、支援者の4つの支援は、「状態把握」「特徴理解」「回復対処」「配慮相談」という4つのスキルを育てるための関わりでもあります。

支援者がセルフケアトレーニングで行う支援は、主に次の4つです。

報告支援:状態を端的に報告する力を育てる
質問支援:問いかけを通じて気づきを促す
配慮支援:状態に応じた対処や配慮を一緒に整理する
振返り支援:定期的に整理と振返りを行い、セルフケア力を高める

① 報告支援
セルフケアは、本人が一人でセルフチェックをするだけでは意識が形骸化しやすいと言われています。
例えば、どんなに面白いゲームでも、反応や変化がなければ飽きてしまいます。セルフケアも同様で、「誰かが関心を持って聞いてくれる」という環境があることで、状態への意識が高まりやすくなります。
また、自分の状態を言葉にして報告すること自体にも意味があります。言語化する過程で、自分の頭の中が整理され、新たな気づきが生まれやすくなるからです。
さらに、「今の状態」「理由」「必要な対応」を端的にまとめて伝える練習にもなるため、結果として自己理解やコミュニケーション力の向上にもつながります。これは、必要以上に長く話し続けてしまう状態や、支援者側が過剰に抱え込んでしまう関係性を減らし、適切な支援距離を育てることにも役立ちます。

② 質問支援
質問支援では、支援者の問いかけを通じて、新しい視点や気づきを促していきます。
最初は「わからない」という回答も多く、自分の状態について考えること自体が難しい場合もあります。
しかし、繰り返し質問を受けることで、徐々に「自分の状態を考える」「整理する」「言葉にする」という行動ができるようになります。特に、状態把握や特徴理解に関する質問は、自分自身を客観的に見る練習にもなります。
その積み重ねが、自己理解の深化につながっていくのです。

③ 配慮支援
配慮支援は、その時々の状態に応じて、適切な行動を選べるようにする支援です。
調子が良いときには、その状態を維持する行動を考えます。一方で、調子が良くないときには、無理を続けるのではなく、少しでも回復しやすい行動を選択していきます。特徴理解が進むと、問題が大きくなる前の「予兆」に気づけるようになります。その結果、悪化してから対応するのではなく、早めに予防的な対処を行えるようになります。
また、必要に応じて周囲へ相談し、環境調整を行うことも重要なセルフケアの一部です。

④ 振返り支援
振返り支援では、定期面談を通じて、状態や行動を整理していきます。
日々の生活の中では、自分の変化に気づきにくいことも少なくありません。しかし、一定期間を振り返ることで、「以前よりできるようになったこと」や「繰り返しているパターン」が見えてきます。支援者は、本人の気づきを大切にしながら、必要に応じて客観的な視点も共有します。こうした振返りを継続することで、セルフケアへの意識が高まり、自分自身を調整する力が少しずつ育っていくのです。

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