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第16回 4bunnno3サロン

2021.06.29

report

就労・定着支援に関わる方が相互に気づきを高め、学びを深める4bunnno3サロン、
第16弾を実施しました。
今回は新規の方1名を含めて2名にご参加頂きました。
宣言明けの最初の休日でご参加者は少なかったですが、一人ずつの発言が増えるのでこれはこれでアリです。

最初に各自の近況報告をしたあと、初蔵出しの講義をしてみました。

【就労定着のカギはストレスコントロール】
社会を覆うストレス、職場におけるストレスなど、考えない日は無いほど僕たちの生活はストレスと隣り合わせです。障がいとは、日常生活や社会生活を行うことにおいて、何かの困りや難しさがあることですから、そのストレスは障がいのない方より強いと言えます。このことから、障がい者の就労定着を考える際に、このストレスを如何にコントロールするかというのは一つのテーマですね。

ストレスが最初に何に影響するかと言えば、いつもより少し肉体疲労と精神疲労が増えることです。
その次に能力が低下していきます。疲労に合わせて少しずつの変化ですから多くの方は自分の能力や生産性が低下していることに気付きません。
さらに疲労がある一定ラインを超えて蓄積すると恐ろしいことが始まります。普段はできることがやりにくくなり、普段は出ない自分の特徴が出始めるのです。例えば普段はしないミスをする、イライラするなどですね。
それが続けばトラブルになることもあるでしょう。トラブルは上手に解決できればプラスになることもありますが、この頻度が高いと信頼関係にも影響します。これらの状態は大きなストレスになるため、抑うつ状態などを引き起こすことにも繋がります。これらは企業にとっても、ご本人にとっても大きなロスです。障がい者雇用でもっとも重要なことの一つが、このロスを避けることだと考えています。

次にストレスの構図をまとめてみましたので、見てみましょう。
職場をOn time、それ以外をOff timeとします。ストレスの原因はなるべくシンプルにするため「人間関係」「変化イベント」「理想との差」の3つに分類してみました。
誰もでもこれらのストレスを受けますが、注意したいのはそのストレスが大きくなり過ぎないことです。どのストレスに影響を受けるかは各自の特徴や、背景、タイミングによって違います。
そして、もう一点知っておきたいのはOff time のストレスがOn time にも影響することです。「社会人なんだからプライベートの事情を仕事に持ち込むな」というのは正論ですが、きっかり分けられる人は少ないでしょう。会社や上司が直接手を出す必要はありませんが、情報として知っておく(話を聞ける関係がある)ことはポイントだと考えます。

では、これらのストレスに対して、4つの方策をお伝えします。
1つ目は、ストレスに気づく です。本人が勝手に気づくというのは、僕の感覚では8割以上の人ができていないと感じます。ですから、科学的、または医療的なアプローチで過度なストレス状態に至っていないことを定期的に調べるということが考えられます。僕のお勧めは、毎日数分上司と1on1ミーティングをするだけでお互いに気づけるという「デイリーシェアリング」です。業務の進捗や課題の発見を通じてストレス状況も把握できますし、何より相互の信頼関係がアップします。このあと実際にロープレをしたのでそのことは後ほど。

2つ目は、ストレスの特徴を知る です。特徴には一般的なものと、個人特有のものがあります。例えば「不安があって胃が痛い」時に(私は大丈夫だろうか)と強い不安を感じたとすると、「不安があると内臓に影響してお腹が痛くなるというのはよく見られる症状です」という情報は一般的なものです。これを知っておくだけで、j自分だけではないのだ、そんなに心配しなくても良いかもと思えます。「私は不安が続くと胃が痛くなる、その時は医者に処方してもらったこの薬を飲むと翌日には治っている」と言うのが個人の特徴です。何に影響受けやすく、どのような症状が出やすいか、またその対処として有効策を知っておく、ここまでできていると知っているだけで楽になります。

3つ目は、対処する です。特徴の中で有効対処が分かっていれば、それを実行するだけです。わかっているけれど実行しないということを良く見かけます。たとえは、皆さんは仕事の合間に水分補給や、1時間に一度席を立って背伸びをすると良いことは知っていますが、やっている人は少ないですよね。対処するのは実は結構難しいのです。

4つ目は、報告即断する です。生産性や成果に影響することは上司に報告相談します。知っておくだけ、伝えておくだけでストレスが下がります。例えばご家族に不幸があったとします。もちろんお仕事ですからそれを理由にいつまでも身が入らないのは頂けませんが、それを知っているのと知らないのでは対応が変わりそうですね。


ここまでのレクチャーのあと、これら4つの技術を使った4bunnno3メソッドのひとつ「デイリーシェアリング」をロープレしてみました。
11の固定項目を本人が1分でチェックし、2,3分で報告相談するというものです。ノウハウを学んでから毎朝繰り返すだけで、上記の4つの方策が身に付き、ストレスを引き下げることが可能です。

ロープレにお付き合い下さった方は、同じようなことを就労支援の環境でご利用者にやっていらっしゃるそうです。いつもは話を聞く立場ですが、実際にチェックして報告する立場をやってみると、何を伝えよう、どう話そうといろいろ考えたと仰っていました。たった11項目×4段階から選ぶだけですが、実は話したいことや思っていることは色々あることが分かりますね。一度にそれらを全部報告しているといくら時間があっても足りません。数分の話を毎日継続すると、少しずつパズルのピースが埋まるように相互理解が進みます。じっくりゆっくり理解を進めることの重要性に気づいて頂けたようです。

また「上司がそんなに上手に報告を聞けないのでは」という質問を頂きました。
まずは、最初から上手じゃなくても大丈夫というのが僕の回答です。最初に置くと良い意識は「興味を持つ」ですね。ですから、報告をしてくれている方に体ごと向けて(首だけ回して向く人が多いです(笑))、話を聞く姿勢を作ることが大切です。あとは僕のノウハウにそって、一つだけ質問をすることを毎日続けていれば必ず上手になります

ロープレを見て頂いた他の方からは、
・短時間で「安全な環境を作ること」「見えないものを感じ取る仕組みを作ること」の重要性を感じた。
・デイリーシェアリングの仕組みを使うと、報告時間は45秒だった(図ってくれていました)。そのあとの相談含めて本当に短時間で濃い時間を作っていたので、企業にも勧めたい。
といったご感想を頂きました。

その後は、少し時間があったので「話しが長引く相談者への対応の仕方」や「各自のお仕事の取組み内容」に関して情報交換をして終了しました。今回のサロンは盛りだくさんでした♪


本日のレポートは以上です。

今後の4bunnno3サロンの日程は以下の通りです。

第17回4bunnno3サロン 2021年7月17日 午後1時30分
第18回4bunnno3サロン 2021年8月7日 午後1時30分
第19回4bunnno3サロン 2021年8月28日 午後1時30分

ご参加ご希望の方はこちらをご覧いただき、手順に従ってエントリーしてください。
既存・新規いずれの方もご参加連絡お待ちしております。

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