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川崎市で K-STEP を使いこなす研修「就活編」 を実施しました

2020.01.20

report

川崎市でセルフケアトレーニング(SCT)研修を実施しました。
前回の「運用編」からしばらく時間が空きましたが、続編です。

4ぶんの3ではSCT研修を以下の3回で構成しています。
 SCT1:概要編 セルフケアトレーニングの基礎とツールの作り方を学ぶ
 SCT2:運用編 日々のセルフケアトレーニングの支援の仕方を学ぶ
 SCT3:就活編 セルフケアトレーニングを就活に生かす

昨年度までの川崎市でのSCT研修はすべてSCT1のみであったため、本年度は初めてSCT2と3を一度ずつ実施することになりました。ですから、前回の1日目ではSCT2を行い、今回の2日目はSCT3の就活編を実施しました。

会場は、武蔵中原にあるエポック中原の大会議室!
結婚式の宴会に使える広さで、30人規模の研修ではちょっとした場違い感で、資料を映写するスクリーンもデカすぎです(笑)

さて、セルフケアトレーニングを就活に生かすにはポイントが2つあります。
1)多様性受容の意識がある雇用現場を見つけること
2)セルフケアの能力を発揮できる環境を整備すること

今回はその内容を少し解説してみますね。

1)多様性受容の意識がある雇用現場を見つけること
セルフケアトレーニングは自己理解、必要な報告相談、適切な対処の発動、時には職場で必要な配慮を要求するといったスキルを高めます。実際の職場ではこのスキルを使いこなすには本人だけで完結するものではなく、周囲の理解やサポートが必要です。

例えば、1時間に一度離席して落ち着く空間でストレッチや深呼吸をするという対処が有効な方の場合、
周囲の理解があると「対処の時間だね、行ってらっしゃい」となりますが、
理解がないと「なぜ君はちょくちょく席を立つのかね」という関わりになりかねず、本人は徐々にセルフケアスキルを発揮できなくなってしまいがちです。

つまり、セルフケアのスキルは理解ある(多様性を受け容れる意識のある)企業でなければ活かしにくいのです!
ですから、内定をくれたからとホイホイと就職先を決めてはいけません。僕の感覚では、2020年現在で障がい者求人を出している企業の中で理解ある企業の割合は2割程度だと思います。

外から見てもなかなか見つけられません。ではどうするか?
お勧めの方法は、就活時に困りや必要な配慮をしっかり開示する ことです。

多くの企業は本音では配慮のいらない(できるだけ少ない)障がい者を探していますから、もしあなたが「配慮はいらない」と言えば喜んで採用してくれます。しかし、その会社では実際に配慮提供の準備がありません。後から配慮が欲しいと言うと関係が悪くなることも多いようです。これを避けなければいけません。

ですから、「困っていること」があるけれど「必要な配慮」があれば十分従事できる!ということを伝えるのです。理解ある企業はこういった配慮を要求しながらも活躍できる方を探しています。つまりセルフケアスキルのある人材ですね。適切な情報開示は理解ある企業と相性の良い就活方法なのです。

先日記事にした 就労パスポート もこの観点で相性がいいですね。これからの障がい者就職は、セルフケアトレーニングを経て情報を開示し、就活することがますます大切になると思われます。


2)セルフケアの能力を発揮できる環境を整備すること
多様性受容の意識のある会社も、具体的にどんな関わりをしたら良いかはわかりません。また就職した本人や支援者もその会社のことは分からないので、何をどのように求めるかイメージできないこともあるでしょう。

そこで大切なのは、同僚や上司と分かり合える環境を育むことです。
具体的には、今まで鍛えてきたセルフケアトレーニングのフローをそのまま職場でも実行するだけでOKです。

 ① ツールを使ってセルフチェック
 ② 上司や同僚に状態の報告共有
 ③ 今日の過ごし方を相談
 ※ トレーニング時にあった支援者からの一つの質問は割愛してOKです

以上をトレーニング同様に2分程度で毎日実施することを要求 しましょう。配慮を提供するつもりの企業であれば、ちゃんと対応してくれますし、これだけで信頼関係が築かれます。

今回の研修でも、参加者に考えてもらいながらあっという間の3時間を過ごしました。
就労定着を実現するのは、セルフケアトレーニングを軸にした日々の過ごし方と就活の仕方にあります。
もっと詳しく知りたい方はぜひご連絡ください。

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