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K-STEP研修会 in 横浜 で頂いたご質問に回答します! ②

2020.03.11

know-how

前回に引き続き、2月に横浜で実施したK-STEP研修の事後アンケートで頂いたご質問に回答します。
Q5では、研修初日に一緒にご登壇頂いた湘南ゼミナールオーシャンの前山様に一部ご回答頂いています。

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■Q5(活用している企業に対して)会社全体として運用後に得たことは何ですか。

▶A5【株式会社湘南ゼミナールオーシャンから回答】
K-STEPを何の目的で、どのように運用するかで、得られるものも異なるかと思いますが、導入検討のご参考になるように当社事例を紹介します。
当社では、「勤怠の安定」と「主体性を発揮する」ためにセルフケアのツールとして導入しました。その結果、会社として得たもので主要なものは下記となります。

1.売り上げの向上
勤怠が安定し、業務時間中のパフォーマンスが保てるようになることで、一人当たりの業務処理量が増大し、売り上げの向上につながりました。一人当たりの平均処理量は2倍以上となり、新たな業務受託につながっています。
2.コストの低下、利益率の向上
退職者が減ることで採用コスト、教育コストの低下につながり、勤続年数の伸びに応じて業務遂行能力が上がり単価の高い業務の受託にもつながっています。また、お一人おひとりが主体性を発揮し自信をつけていくことで、支援する側の介入が減り、支援する側がより生産性の高い仕事や将来的な収益源の開発にあたることが可能になりました。
以上、K-STEP以外の取り組みの影響もあるかと思いますが、皆様方のお役に立てれば幸いです。

【北村からコメント】
上記湘南ゼミナールオーシャンさんのように、パフォーマンスに繋がるケースも耳にするようになりました。その他「ご本人と現場の上司や同僚とのコミュニケーションが良化する」ことも分かりやすい収穫かと思います。ややもすると病気という腫れ物感からお互いに遠慮し、コミュニケーションに齟齬が生じます。必要なのは遠慮ではなく、正確な症状把握と適切な配慮提供です。適正な関わりの上に、安定就労も定着も戦力化もあるのではないでしょうか。
働き甲斐のあると社員(障がいとは関係なく)が感じる会社のレポートを拝読しました。
得点の高い企業の共通点があるのですが、僕が着目したのは「上司と部下のフィードバックの機会が多いこと」です。キーエンスという有名な企業の例がありましたが、上司は部下と「今取り組んでいること」や「昨日あったこと」を毎日数分報告するということをやっています。上司は聞いた話にアドバイスや指示をすることはなく、「また聞かせてね」とだけ言うとのこと。これだけで部下はメタ認知(※)が進み、改善行動力が身に付き、さらに上司への信頼や遣り甲斐まで感じるのです。セルフケアの報告と一緒ですよね。僕は就業後も調子の良しあしで実施するのではなく、メタ認知が機能しにくく周囲からわかりにくい特徴のあるメンタルの方が働き甲斐を持てるためにすべきアクションだと考えています。

※メタ認知:自己の認知活動(知覚、情動、記憶、思考など)を客観的に捉え、評価した上で制御することです。簡単にいうと自分の中にもう一人の自分がいて、例えば寝坊したときには「これはまずいよね、やっぱり昨夜遅くまでTVを見ちゃったのが良くなかったな。よし今日からは0時になってもっと見たくなったら録画して次の日にみるようにしよう」というような気づき、評価、行動制御ができる力ですね。メンタルの疾患はこのメタ認知力が低下しやすいと考えます。ですからこの力を回復することを意識したいですね。その一番簡単で有効な方法がフィードバック(FB)で、メタ認知を促す機会を作ることです。その際にアドバイスやお説教をしたくなりますが、マイナス作用することも多いのでほどほどにしたいですね。

■Q6 現状把握があまり得意ではない方に対する(否定をせずに前向きに考えられるような)アプローチの仕方は?

▶A6 A2で回答したことが役立ちそうです。特に「成果の出る方程式」のところをご覧ください。

■Q7 生活リズムが整っていない方、リズムが作れず体調不良が続いてしまう場合でも就活に向けて活用できる方法があれば教えていただきたい。

▶A7 まずはちょっと難易度が高いことでお伝えします。運用編でお見せした「SCTで取り扱う要素の関係図」をご覧ください。その方は「三大生活基盤」が不安定である可能性が高いと思われます。その原因となる癖を見つけること、その癖に対処することができると良いなと思います。
しかし、実際に生活リズムが整っていないとそもそも安定して通所ができないためセルフケアトレーニング自体が難しいですよね。そこで違う方法の提案です。
一旦、セルフケアトレーニングは横に置いておきます。A2でも書きましたが、効果を実感できないとセルフケアトレーニングは意味の解らないものになってしまいます。代わりに生活リズムチェックをします。次のようなシート(参考:生活リズムシート例)を使ってください。

睡眠・食事・ストレス状況をメイン項目にしているのはK-STEPにも通じるところですが、その方に合わせて自由にアレンジして構いません。このシート運用の目的は、生活リズムを壊しやすい理由探し(ある意味「特徴理解」です)とどこを調整すれば、生活が安定するかを試行錯誤することにあります。K-STEP同様に通所したら報告を受けます。一日1つの質問も有効ですね。生活リズムが改善してある程度通所できるようになってきたら、K-STEPを改めて始めると良いでしょう。その際にはセルフチェックと報告の習慣はすでに身に付いていますので、トレーニングも捗ります。

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